純金積立とは毎月一定金額で金地金の購入を行う利殖方法です。
購入した金は取扱会社に預けておくシステムで取扱業者は現物の引渡の請求が無い限り金を提供する必要がないため、1980年代には豊田商事のような現物まがい商法が生まれましたが、客の注文を受けながら現物の金地金を購入しない行為は現在では影を潜めています。
購入した金地金を取扱業者がまとめて運用する消費寄託タイプの純金積立と預かった金地金を取扱業者の一般財産と完全に分離保管する特定保管タイプの純金積立があります。
前者では運用益からボーナス配当を受けることができる反面取扱業者が破綻した場合、寄託した金地金が保証されているわけではないので一般債権者と同様一定の配当に甘んじることになるリスクがあります。
一方後者は金地金が取扱業者の一般財産とは区別され業者が破綻しても破産財団に組み込まれる心配はないのですが、運用益が得られないため利益配当は受けることができません。
世界における採掘済の金の量は年々増えるし消費により消滅する金の量は僅かなので、長期的には金の価格は下落するのが原則と考えることもできますが、金価格を一定期間上昇させる幾つかの要因が考えられます。
まずは金融不安で他の金融商品の運用が不透明となると比較的安定している金に対する関心が高まります。
また、IT化が進んだ時期電子部品のメッキに使う金の需要が増して金価格が上昇しました、しかし、技術革新によりメッキが薄くなり現在ではITによる金需要はすっかり減少していまいました。
こうした工業原料としての需給による価格変動もあります。